この記事では平成22年(2010年)事例Ⅰ第1問(設問1)を解説します。
中小企業診断士二次試験合格の “最大のコツ” は過去問を繰り返し勉強することです。
3回目の受験でようやく気付いた二次試験のコツ、ノウハウを交えて、平成22年(2010)から令和1年(2019)まで10年間の過去問の全貌を公開します。
二次試験過去問を攻略して合格を目指しましょう!
今回は「分析系問題」から「ファクト分析」についての第4回目(全5回)の記事になります。
ファクト分析は過去問10年間で51問中5問出題されています。
今後も出題されることが予想されます。
それでは今回は
(H22:第1問設問1)二次・三次問屋とのネットワーク構築が強みとなった理由100文字
について解説していきます。
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二次試験事例Ⅰ過去問を理解する(過去問2010-2019)
事例Ⅰ(組織・人事含む)では10年間の過去問をみると51問が出題されています。
一回の二次試験では80分間で全5問を解くことが通常です。
10年分の過去問より問題を分類すると大きく3つのカテゴリーに分かれます。
- 分析系問題
- 推論系問題
- 助言系問題
割合としては分析系問題が多く、次に推論系問題、助言系問題と続きます。 詳しくは次の画像をご確認ください。


分析系問題:ファクト分析 平成22年事例Ⅰ 第1問設問1
【問題1 配点 30点】
A社が主力事業としている砂糖業界の環境変化と事業展開の変容について、以下の質問に答えよ。
(設問1)
過去に成功してきた事業展開の中で、A社のような一次問屋にとって二次・三次問屋とのネットワークの構築が強みとなった理由について100文字以内で説明せよ。
ネットワーク構築が強みとなった理由を問われています。
つまり、この問題は分析系問題(ファクト分析)に分類されます。
中小企業診断協会からは次のような出題趣旨が発表されています。
第 1 問(配点 30 点)
A社の主力事業である砂糖業界の環境変化と事業展開の変容に関連して、中小企業診断士としての基本的理解力と分析力を問う問題である。
(設問1)
食品原材料業界の流通において一次問屋として事業を成功裡に展開してきたA社に対して、二次・三次問屋とのネットワークが果たしてきた機能を問うことによって、業界構造の変化について分析力を問う問題である。
業界構造の変化を踏まえた上でネットワーク構築が強みとなった理由について述べる必要があります。
平成22年(2010年)の二次試験事例Ⅰ過去問はこちら↓
分析系問題(ファクト分析)の特長と解答法
分析系問題(ファクト分析)の特長と解答法は以下の通りです。
・事象の裏にある事実(ファクト)が何かを問われている
・ファクトは複数の因子が与件文に眠っている
・問題に係るファクトを与件文から拾い整理する
・整理された与件文情報(事実)をキーワード化する
・キーワードを用い解答を導き出す
その情報が関連しているかどうかを客観的視点で評価し、解答することが合格率を上げるコツとなります。
分析系問題のファクト分析は与件文にある適切な事実を抽出、整理し、述べることが最重要です。
主観は排除しましょう。
特に中小企業診断士の二次試験では、与件文にある情報の中から必要な情報を収集し、述べることが必要です。
平成22年二次試験事例Ⅰ第1問設問1の問題文・与件文からの関連情報抽出
平成22年(2010年)の二次試験事例Ⅰ第1問設問1の問題文・与件文からは以下の関連情報が抽出できます。
・二次、三次問屋とのネットワークが強みとなり成功してきた(問題文)
・二次問屋取引数が1000軒を超え、国内ではトップクラスに位置づけられる(第1段落)
・30年前は相場が下がれば買い、上がれば売ることが一次問屋の役割だった(第2段落)
・従来は二次、三次オーナー同士の付き合いを通じた人的ネットワークが重要だった(第3段落)
・地区ごとにA社共栄会といった親睦組織を設け、オーナー同士のつながりを深めていた(第3段落)

解答アプローチ
上記のファクト情報から言いたいことをキーワードとして変換します。
「キーワード化」
・当時一次問屋は売買差益により収益を上げていた
・二次、三次オーナーとの付き合いを通じた人的ネットワークが重要であった
・ネットワークを大規模で盤石にするために地区ごとに親睦組織のA社共栄会を作った
一次問屋の収益構造と、それを成立させるためのネットワーク作りがカギとなります。
以上の情報(事実)をまとめ解答を導き出します。
「解答例」
理由は一次問屋は売買差益により利益を上げており、収益最大化するため大規模で盤石な二次・三次問屋との人的ネットワークの強化が必要であった。そのため地区ごとにA社共栄会を作りオーナー同士の繋がりを深めた。
100文字でした。
ネットワークを形成する必要があった背景、目的を整理するとこのような解答になります。
毎回問題は異なりますが、本質的に問われていること、答えるべき内容は同じです。
過去問を徹底してやることで、身体に解答パターンを染み込ませましょう。
ふつサランの紹介
外資系企業に転職後、精神論だけではこの先を生き抜いていけないと悟り、2011年から中小企業診断士の資格取得を目指し勉強を開始。二次試験は3回目の挑戦にして、ようやくコツを掴み合格。現在はサラリーマン兼業コンサルタントとして、企業経営のアドバイスを行っている。
【分析系の全体像はこちらの記事にまとめています】
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