二次試験では過去問を徹底してやることが大切です!
(H29:第2問)少人数の正規社員で運営を可能にしている経営体制の特長100文字
について詳しく解説していきます。
このシリーズでは二次試験過去問を平成22年(2010)から令和1年(2019)まで10年間の過去問を完全分析します。
今回は「分析系問題」から「特徴分析」についての記事になります。
特徴分析は過去問10年間で51問中1問の出題でした。
【分析系の全体像はこちらの記事にまとめています】
二次試験事例Ⅰ過去問を理解する(過去問2010-2019)
事例Ⅰ(組織・人事含む)では10年間の過去問をみると51問が出題されています。
一回の二次試験では80分間で全5問を解くことが通常です。
10年分の過去問より問題を分類すると大きく3つのカテゴリーに分かれます。
- 分析系問題
- 推論系問題
- 助言系問題
割合としては分析系問題が多く、次に推論系問題、助言系問題と続きます。 詳しくは次の画像をご確認ください。


分析系問題:特徴分析 平成29年事例Ⅰ 第2問
【第2問 配点 20 点】
A 社の正規社員数は、事業規模が同じ同業他社と比して少人数である。少人数の正規社員での運営を可能にしている A 社の経営体制には、どのような特徴があるのか。100字以内で答えよ。
正規社員を少人数で運営できている、経営体制の特徴について問われています。
つまりこの問題は分析系問題(特徴分析)に分類されます。
中小企業診断協会からは次のような出題趣旨が発表されています。
(第2問)同業他社に比べて少数の正規社員による効率経営を実現している事業の仕組み及び管理体制について、分析する能力を問う問題である。
事業の仕組みと、管理体制を整理していく必要があります。
平成29年(2017年)の二次試験事例Ⅰ過去問はこちら↓
分析系問題(特徴分析)の特長と解答法
分析系問題(特徴分析)の特長と解答法は以下の通りです。
・特徴は何かついて問われている
・特徴となる関連情報を整理する
・整理された与件文情報(事実)から核となるキーワードを抽出する
・カギとなる情報(キーワード)を用い解答を導き出す
根拠となる事実の組合せから文書を作成し、解答することが合格率を上げるコツとなります。
分析系問題の特徴分析は与件文にある適切な事実を抽出、整理し、述べることが最重要です。
あくまで中小企業診断士の二次試験の世界観では、ある情報の中から最善の答えを述べることが必要です。
主観は排除し試験に挑みましょう。
平成29年の二次試験事例Ⅰ第2問の問題文・与件文からの関連情報抽出
平成29年(2017年)の二次試験事例Ⅰ第2問の問題文・与件文からは以下の関連情報が抽出できます。
・創業メンバーの社長と専務の2名、そして正規社員18名(第1段落)
・非正規社員70名(第1段落)
・70%超が非正規社員
・非正規社員の主な仕事は、製造ラインの最終工程である箱詰めや包装、倉庫管理などの補助業務(第2段落)
・主要取引先から販売支援を受けることができている(第4段落)
・主力商品だけに絞って、商品名を冠にした新会社設立(第5段落)
・人手による作業であった製造工程を大幅に変更し、自動化によって効率性を高められるようになった(第5段落)
・銘菓といわれたかつての商品に勝るとも劣らない品質や食感を確保し、現在の種類のラインアップの 焼菓子を日産 50,000 個体制にまで整備した(第6段落)

解答アプローチ
関連する情報から核となるキーワードを抽出します。
正規社員が必要としない生産体制を整備した点に答えがありそうです。
「特徴の抽出」
・取扱商品を絞り込んだ
・販売ルートは主要取引先から確保している
・生産を自動化し、かつての商品に劣らない品質や食感を確保したことで正規社員の熟練者が必要なくなった
・補助業務を非正規社員にまかせ、正規社員はコア業務に集中している
以上の情報(事実)をまとめ解答を導き出します。
「解答例」
特徴は、①取扱商品数を絞り込み②菓子製造工程の自動化により品質を確保したことで、正社員の職人が必要なくなった③また主要取引先からの販路を確保し、補助業務を非正規社員に任せることで効率化を図ったこと。
99文字でした。
製造の観点と販売やコア業務をみたときに、正規社員が必要な場面が限られていました。
そこを導き出すことで、ポイントを押さえた解答になりました。
過去問を徹底してやることで、勝ちパターンを掴んでいきましょう!
ふつサランの紹介
外資系企業に転職後、精神論だけではこの先を生き抜いていけないと悟り、2011年から中小企業診断士の資格取得を目指し勉強を開始。二次試験は3回目の挑戦にして、ようやくコツを掴み合格。現在はサラリーマン兼業コンサルタントとして、企業経営のアドバイスを行っている。
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