【合格するコツ!令和1年 事例Ⅳ 過去問徹底解答シリーズ】中小企業診断士二次試験

中小企業診断士
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中小企業診断士二次試験は過去問の研究と勉強が一番の近道です。また、はじめに解き方を知れば効率的な学習ができます。この記事では令和1年の事例Ⅳの事例を通して解答方法を紹介します!

事例Ⅳともなると開始時間は午後4時。この時点で相当頭に疲労が溜まっているはずです。

事例Ⅲまで上手くいったときも、上手くいかなかったときも、最後の一踏ん張りが必要です。

どんなときにも安定して合格するために、過去問を徹底して解いて身に付けておきましょう。

勉強のモチベーションが下がりつつある時にはこちらをご覧ください:中小企業診断士を取る意味がないってホント??【メリット・デメリットを解説】

ふつサランの紹介

外資系企業に転職後、精神論だけではこの先を生き抜いていけないと悟り、2011年から中小企業診断士の資格取得を目指し勉強を開始。二次試験は3回目の挑戦にしてようやくコツを掴み合格。現在はサラリーマン兼業コンサルタントとして、企業経営のアドバイスを行っている。

過去問徹底解答シリーズ令和1年事例Ⅰはこちら事例Ⅱはこちら事例Ⅲはこちら

解答テクニックの確認

ふつサランが合格にたどり着いた独自の解答メソッドを紹介します。

ふつサランの解答方法

①試験開始の合図ともに問題を一枚ずつバラバラにする。(答えを探す時間の短縮)

②与件文の冒頭を読み業種、事業規模を確認する。

③設問を読み、何が問われているのかを確認。抽出要件の整理と、どのような問題を抱えていているのかを読み解く。頭でイメージをする。

④与件文の読み込みを開始。設問と関連するキーワードに印をつけて読み込む。ここまでで30分以内が理想。

⑤事例4財務会計の場合、表紙の裏を使い、組織及び事業概要をを図解化する。図にすることで一瞬でイメージできることが重要。

⑥解答を始める。関連キワードを拾い上げて、答えを導き出し、文章を構成する。与件文に書いてあるキーワードを中心に文書に差し込むことがポイント。主観を入れた答えは必要ない。

⑦行き詰った時には、与件文に戻る。見落とした情報があるはずなので、探し出す。先に見つけたキーワードとつなぎ合わせることで解答する。

⑧最後に全ての解答で一貫性があるかどうかを確認。もし、矛盾がある場合には、全体との整合性を合わせた解答に修正する。

この中でも特に①と④が重要です!

私の推測ですが、診断士の2次試験では文書の中に重要なキーワードを何個詰め込めるかによって点数が変わってきます。

つまり、筋のよいキーワードをつなぎ合わせることで高得点を狙えます!

過去問を繰り返し勉強するのは、そのためのトレーニングになります。

令和1年:中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅳ(財務会計)

まず今回の令和1年事例ⅣのD社ついて整理しましょう。

事例Ⅳでは与件文が少ない代わりに問題の情報量が多くなります。企業情報の整理は、どんな企業でどのような問題・課題を抱えているか大枠を掴めればOKです。

  • 3つの事業部(建材事業部・マーケット事業部・不動産事業部)
  • 建材市場は低迷、マーケット事業部は赤字転落、一方不動産事業部は安定的収益を生み出している
  • 資本金2億円
  • 従業員70人
  • 100%出資連結子会社がある
  • 連結財務諸表を作成している

過去問:設問の確認

設問の確認ではなにが問われているのかを明確にする必要があります。そうすることで無駄な時間を節約することができます。問われていることに的確に解答することが診断士の二次試験で問われていますのでご注意ください。

第1問(配点 25 点)
(設問 1 )
D 社の前期および当期の連結財務諸表を用いて比率分析を行い、前期と比較し
た場合の D 社の財務指標のうち、①悪化していると思われるものを 2 つ②改善
していると思われるものを 1 つ
取り上げ、それぞれについて、名称を⒜欄に、当期
の連結財務諸表をもとに計算した財務指標の値を⒝欄に記入せよ。なお、⒝欄の値
については、小数点第 3 位を四捨五入し、カッコ内に単位を明記すること。


(設問 2 )
D 社の当期の財政状態および経営成績について、前期と比較した場合の特徴
50 字以内で述べよ。

まず設問1の比率分析は経営分析のことですね。表現が違っても落ち着いて対応しましょう。例年経営分析の問題が出題されます。

設問2も前期と比較した特徴といっていますが、何が良かったかもしくは悪かったか事実を記載すれば大丈夫です。特徴ってどういうこと?と惑わされず、目についた部分を指摘しましょう。

小数点第何位なのか間違いのないように気をつけましょう。

第2問(配点 25 点)
D 社のセグメント情報(当期実績)は以下のとおりである。


注: セグメント利益は経常段階の利益である。売上高にセグメント間の取引は含まれ
ていない。

(設問 1 )
事業部および全社(連結ベース)レベルの変動費率を計算せよ。なお、%表示で
数点第 3 位を四捨五入
すること。

事業部と全社ベースの変動率ですね。建材事業部、マーケット事業部、不動産事業部そして合計から算出する必要があります。


(設問 2 )
当期実績を前提とした全社的な損益分岐点売上高を⒜欄に計算せよ。なお、(設
問1)の解答を利用して経常利益段階の損益分岐点売上高を計算し、百万円未満を
四捨五入
すること。
また、このような損益分岐点分析の結果を利益計画の資料として使うことには、
重大な問題がある。その問題について⒝欄に 30 字以内で説明せよ。

全社と経常利益段階の損益分岐点売上高を計算する、そのままですね。

(設問 3 )
次期に目標としている全社的な経常利益は 250 百万円である。不動産事業部の損
益は不変で、マーケット事業部の売上高が 10 %増加し、建材事業部の売上高が不
変であることが見込まれている。この場合、建材事業部の変動費率が何%であれ
ば、目標利益が達成
できるか、⒜欄に答えよ。⒝欄には計算過程を示すこと。な
お、(設問 1 )の解答を利用し、最終的な解答において%表示で小数点第 3 位を四捨
五入
すること。

250百万円の利益を得る場合の最低売上高を損益分岐点分析を用いて計算する問題ですね。

第3問(配点 30 点)
D 社は、マーケット事業部の損益改善に向けて、木材の質感を生かした音響関連
の新製品の製造販売を計画中である。当該プロジェクトに関する資料は以下のとおり
である。
<資料>
大手音響メーカーから部品供給を受け、新規機械設備を利用して加工した木材にこ
の部品を取り付けることによって製品を製造する。
・ 新規機械設備の取得原価は 20 百万円であり、定額法によって減価償却する(耐用年
数 5 年
、残存価値なし)。
・損益予測は以下のとおりである。

・ キャッシュフロー予測においては、全社的利益(課税所得)は十分にあるものとす
る。また、運転資本は僅少であるため無視する。なお、利益(課税所得)に対する
率は 30 %
とする。
(設問 1 )
 各期のキャッシュフローを計算せよ。

(設問 2 )
当該プロジェクトについて、⒜回収期間と⒝正味現在価値を計算せよ。なお、資
本コストは 5 %であり、利子率 5 %のときの現価係数は以下のとおりである。解答
は小数点第 3 位を四捨五入すること。

ここは勉強した通りに計算するとよいですね。(a)の回収期間は回収期間法と考えてよいと思います。

(設問 3 )
<資料>記載の機械設備に替えて、高性能な機械設備の導入により原材料費およ
び労務費が削減されることによって新製品の収益性を向上させることができる。高
性能な機械設備の取得原価は 30 百万円であり、定額法によって減価償却する(耐用
年数 5 年、残存価値なし)。このとき、これによって原材料費と労務費の合計が
何%削減される場合に、高性能の機械設備の導入が<資料>記載の機械設備より有
利になるか、⒜欄に答えよ。⒝欄には計算過程を示すこと。なお、資本コストは
5 %
であり、利子率 5 %のときの現価係数は(設問 2 )記載のとおりである。解答
は、%表示で小数点第 3 位を四捨五入すること。


第4問(配点 20 点)
(設問 1 )
D 社は建材事業部の配送業務を分離し連結子会社としている。その⒜メリット
と⒝デメリットを、それぞれ 30 字以内で説明せよ。
(設問 2 )
建材事業部では、EDI の導入を検討している。どのような財務的効果が期待で
きるか。60 字以内で説明せよ。

設問1は一般論を元に解答してようでしょう。設問2もEDIを導入する一般的なメリットを具体的に示すとよいでしょう。

図解化する

事例Ⅳは基本的に計算問題が多いので、ここに時間は掛ける必要はありませんが、一部記述問題はあるので大枠を掴むようにしましょう。私の場合は今回このようにしました。かなりシンプルですね。

問題の解答例

第1問(配点 25 点)

設問1

計算して分かる通り、ほとんどの指標が悪化しています。TACでは以下の指標を取り上げていますが、売上高営業利益率等を記載しても大丈夫です。計算が合っていれば点数を落とすことはないと考えます。

改善している点は少ないですが、その中でも有形固定資産回転率は良くなっていますね。

■TACの模範解答

①(a)売上高総利益率 (b)16.76%、(a)当座比率 (b)41.27%

②(a)有形固定資産回転率 (b)1.64回

設問2

「収益性」「効率性」「安全性」の三つ視点から見たときに何が起きているか、改善しているのか、悪化しているのかポイントをまとめて記載します。

■TACの模範解答

受注増加により投資効率が改善しているが建材の価格高騰等と在庫の停滞により収益性と安全性が悪化している。

第2問(配点 25 点)

設問1

ここは簡単ですね。変動率=変動費÷売上高です。単純計算するだけです。小数点第三位で四捨五入することを忘れずに。

■TACの模範解答

建材事業部 95.33%

マーケット事業部 69.39%

不動産事業部 3.52%

全社 89.09%

設問2

問題で条件とされているように経常利益での損益分岐点分析を行います。

損益分岐点売上高の計算は【損益分岐点売上高=固定費/貢献利益率=固定費/1-変動費率】です。

つまり、損益分岐点売上高 = 474 ÷( 1 - 0.8909 )= 4,344.63… ≒ 4,345百万円となります。

■TACの模範解答

(a)4,345百万円

(b)異なる費用構造についての考慮が不十分であり、分析精度が低い点。

設問3

経常利益250百万円を達成するために必要な、建材事業部の変動費率とその計算過程を求めるます。

売上高 - 変動費- 固定費 = 目標利益 の公式数値が分かれば解けますね。

■TACの模範解答

(a)91.49%

(b)

売上高 4514+196×1.1+284=5013.6

変動費(建材事業部の変動費率をαと置く) 4514α+196×1.1×69.39%+10=4514α+159.60484

建材事業部の変動費率 5013.6-(4514α+159.60484)-474=250 α=0.91493…≒91.49% 

第3問(配点 30 点)

設問1

ここでのキャッシュフローの計算方法は下記の通りとなります。

キャッシュフロー=税引き後利益(利益額×⦅1-0.3⦆)+減価償却費

第1期は-7の赤字となりますが、全社では十分な利益がでていることから節税効果が働きます。

つまり第1期キャッシュフロー(-0.9)=-7×0.3+4となります。

■TACの模範解答

第1期 △0.9 第2期 6.1 第3期 14.5 第4期 9.6 第5期 9.6

設問2

ここでは回収期間法とNPVを求めることになります。

回収期間法は単純に毎年の利益を積み重ねて20百万円が償却される期間を算出します。

NPVは5年間で得られる利益を現在割引価値で計算することになります。

■TACの模範解答
(a)3.03年
(b)12.63百万円

設問3

問題にある条件に沿って、計算することになります。結果として「原材料費」と「労務費」の合計の削減率が10.52%を超えれば導入する価値があるといえます。

■TACの模範解答

(a)10.52%

(b)

●減価償却費の差額 (30÷5)-4=2

●税引後CFの差額(原材料費と労務費の削減割合をxとする)

第1期:16x×(1-0.3)+2×0.3=11.2x+6

第2期:27x×(1-0.3)+2×0.3=18.9x+6

第3期:32x×(1-0.3)+2×0.3=22.4x+6

第4期:25x×(1-0.3)+2×0.3=17.5x+6

第5期:16x×(1-0.3)+2×0.3=11.2x+6

●原材料費と労務費の削減率

(11.2x+0.6)×0.952+(18.9x+0.6)×0.907+(22.4x+0.6)×0.864+(17.5x+0.6)×0.823+(11.2x+0.6)×0.784>10

x>0.10522…→x≒10.52%

第4問(配点 20 点)

設問1

メリットデメリットを求められています。1~2ポイントを端的にまとめれば大丈夫です。

抽象度は高く、一般論で書いて問題ないといえます。

■TACの模範解答

(a)配送事業に対する投資のポジションとその成果を明確にできる点。

(b)事務処理や会社管理などにかかるコストの負担が増加する点。

設問2

EDIを入れる目的はタイムリーな配送を実現させることです。それによって期待される効果は何か?(≒現在の問題の解消)をまとめるとよいでしょう。

■TACの模範解答

タイムリーな配送によるコストの削減と恒常的な在庫の減少に伴う運転資本の低減および在庫に投下された資金の回収が期待される。

まとめ

今回は令和1年事例Ⅳの解答を紹介しました。計算問題が多くありましたので、時間との闘いになりますね。

また毎年同じような問題が出題される傾向にありますので、繰り返し勉強しできるようにしましょう。

ふつサラン

2次試験の勉強法・解答法のコツはこちら:【合格するコツ!!二次試験勉強法・解答法】中小企業診断士試験

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